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2026年08月13日
砂糖を増やしたら、市販のクッキーの味に近づきました|南米の食品規制チャレンジ研究室
2026年07月16日
砂糖を2倍にしたクッキーは規制に引っかかるのか?
2026年07月04日
フォークが負けた!?オートミールでレアチーズケーキのタルト生地作りに挑戦
2026年06月24日
豆乳ヨーグルトでレアチーズケーキを作ったらフォークが負けました

南米食品規制チャレンジ

豆乳ヨーグルトでレアチーズケーキを作ったらフォークが負けました

南米規制チャレンジレアチーズケーキ2

 

前回、南米の食品規制を意識したクッキーを作りました。(ブログ記事)

 

オートミールを使い、砂糖を控えめにして、小麦粉も乳製品も使わないクッキーです。

そして今回は、「このクッキーをタルト台にしたらどうなるんだろう?」と思い、レアチーズケーキ作りに挑戦してみました。

 

まずタルト台です。 前回作ったクッキー生地を利用しました。

材料は、 オートミール100g コーンスターチ25g てんさい糖10g 水大さじ4 米油大さじ2 です。 今回はこの生地の3分の2を使ってタルト台を作りました。 残りは普通のクッキーとして焼いています。

 


そしてレアチーズ部分。 豆乳ヨーグルト400gを約1日半水切りしました。 すると重さは約180g。 かなり濃厚になります。 そこへ、 豆乳ホイップ50g 絹ごし豆腐77g てんさい糖大さじ2 ゼラチン2g を加えて混ぜました。 そして焼いたタルト台を冷まし、その上へ流し込み、一晩冷蔵庫へ。 翌日。 いよいよ試食です。

 


まずレアチーズ部分。 これは正直驚きました。 「本当に乳製品を使っていないの?」 と思うくらい、それっぽいんです。

もちろん豆腐の味もするし本物のクリームチーズとは違います。

 

でも、 「レアチーズケーキですよ」 と言われたら「もしかしたら、そうかも」って思うくらいには近い。

ここはかなり成功でした。 問題はその下のタルト台です。

 


実は私は少し期待していました。 クッキーとして焼いた時は結構しっかりした生地でした。

でも今回は上にレアチーズが乗っています。 一晩置けば水分を吸って、 少ししっとりして、 フォークを入れた時に 「サクッ」 とか 「ホロッ」 とか、 そんな感じになるんじゃないかと思っていたんです。 ところが現実は違いました。


確かに少しは湿っています。

でもフォークで切るにはまだまだ固い。

 

レアチーズ部分はスッと切れるんです。 ところがフォークがタルト台に到達した瞬間に止まる。

 

「あれ?」 もう少し力を入れる。 それでも切れない。 フォークを縦にして刺してみる。 それでも切れない。

どうしたものかと思っていたら、今度は家族が挑戦。 すると、 「ぐっ……」 という声が聞こえました。 次の瞬間。 ピンッ。 一部がお皿の外へ飛んでいました。

 


どうやらフォークで押し続けた結果、 タルト台がようやく割れ、その反動で上のレアチーズ部分が飛んでいったようです。 健康を考えて作ったレアチーズケーキ。

 

まさか飛距離性能まで付いてくるとは思いませんでした。

さて、ここからがこの研究室の本題です。 このレアチーズケーキは、南米各国の食品規制という視点で見るとどう評価されるのでしょうか。

 

今回使用した砂糖は、タルト台部分 約6.7g、レアチーズ部分 約18g 合計 約24.7gです。

6等分しているので、1人分あたり約4.1gの砂糖になります。

 

まず数字だけ見るとかなり控えめです。 しかし国によって考え方が違います。 そこで国別に見ていきます。

 

 


ペルーだったらどうなる?

 

ペルーは南米の中でも比較的厳しい国です。 食品の100gあたりの糖類量を重視します。 今回のレシピは計算上、その基準を下回る可能性が高く、警告表示の対象にはなりにくいと考えられます。 評価としては、 砂糖量 ◎ 超加工食品 △ です。 砂糖は優秀。 ただし豆乳ホイップの原材料によっては超加工食品として見られる可能性があります。

 

チリだったらどうなる?


チリは前面警告表示制度で有名です。 黒い警告マークが付く国として知られています。 今回のレシピは糖類量が少ないため、その点ではかなり有利です。 評価としては、 砂糖量 ◎ 超加工食品 △ です。 ただしチリでは近年、超加工食品への関心も高まっています。 将来的な流れを考えると、豆乳ホイップの扱いは気になるところです。

 

メキシコだったらどうなる?


メキシコは糖尿病や肥満対策として規制を強化している国です。 砂糖量だけでなく、総合的な栄養バランスも見ます。 今回のレシピは、 砂糖控えめ 乳製品不使用 オートミール主体 という点でかなり良い印象です。 評価としては、 砂糖量 ◎ 超加工食品 △ です。

 

 

ブラジルだったらどうなる?

 

ブラジルは少し考え方が違います。 実はブラジルは世界的にも早い段階から超加工食品を問題視してきた国です。 そのため、 砂糖量だけなら非常に良好。 しかし超加工食品という視点では少し厳しく見られる可能性があります。 評価としては、 砂糖量 ◎ 超加工食品 ○か◎ です。 豆乳ホイップを使わずに作れれば、さらに高評価になりそうです。

 

 

アルゼンチンだったらどうなる?

 

アルゼンチンも近年は前面警告表示制度を導入しています。 今回のレシピは糖類量が少ないため、比較的有利です。 評価としては、 砂糖量 ◎ 超加工食品 △ です。

 


今回のレシピを総合評価するとペルー ◎ チリ ◎ メキシコ ◎ ブラジル ○〜◎ アルゼンチン ◎ という結果になりました。

少なくとも、 「砂糖が多すぎて問題になる」 というレベルではありません。
むしろ一般的なレアチーズケーキと比べると、かなり控えめな数字です。

一方で、、、、、 ブラジルを中心に広がっている超加工食品という考え方で見ると、まだ改善の余地があります。 豆乳ホイップを別の材料に置き換えたらどうなるのか。

 

豆乳ヨーグルトの原材料を見直したらどうなるのか。 そんな課題も見えてきました。 味は成功。 砂糖量も優秀。 南米の規制にもかなり対応できそう。 でも、 フォークとの戦いには敗北。 今回の南米の食品規制チャレンジ研究室は、そんな結果になりました。

 

今回のレアチーズケーキを作っていて改めて感じたことがあります。 それは、スイーツのおいしさを構成する中で、砂糖という存在が思っていた以上に大きいということです。 甘

 

さそのものはもちろんですが、味のまとまりや満足感にも砂糖は関わっています。 実

際に砂糖を減らして作ってみると、その存在感の大きさがよく分かります。 だからといって、砂糖そのものが悪者なのかと言われると、私は少し違うようにも思います。

 

おそらく問題になっているのは砂糖そのものではなく、摂取する量です。 そして、その甘さに慣れてしまうこと。 さらに言えば、それが習慣になってしまうことなのだと思います。

 

南米の国々が進めている砂糖税や食品規制も、 「砂糖を禁止したい」


のではなく、「過剰な摂取を減らしたい」という考え方が根底にあるのでしょう。

 

もちろん、こうした規制が本当に国民の健康改善につながるのか。

肥満や糖尿病を減らすことができるのか。 その答えはまだ未来の話です。

 

 

今の時点では誰にも分かりません。 それでも、「何もしないよりは何か行動を起こそう」 そう判断したからこそ、ペルーやチリ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンなどの国々は規制に踏み切ったのだと思います。 実際にこうしてレシピを作り、食べ、数字を見ながら考えてみると、なるほど、そういう考え方もあるのか。 そんなふうに思えてきます。

 

この研究室では、これからもおいしさと健康、その両方を見ながら、実際に作って確かめていきたいと思います。

 


研究室より
今回のレアチーズケーキを作っていて改めて感じたことがあります。

それは、スイーツのおいしさを構成する中で、砂糖という存在が思っていた以上に大きいということです。

甘さそのものはもちろんですが、味のまとまりや満足感にも砂糖は関わっています。

実際に砂糖を減らして作ってみると、その存在感の大きさがよく分かります。

だからといって、砂糖そのものが悪者なのかと言われると、私は少し違うようにも思います。

おそらく問題になっているのは砂糖そのものではなく、摂取する量です。

そして、その甘さに慣れてしまうこと。

さらに言えば、それが習慣になってしまうことなのだと思います。

南米の国々が進めている砂糖税や食品規制も、

「砂糖を禁止したい」

のではなく、

「過剰な摂取を減らしたい」

という考え方が根底にあるのでしょう。

もちろん、こうした規制が本当に国民の健康改善につながるのか。

肥満や糖尿病を減らすことができるのか。

その答えはまだ未来の話です。

今の時点では誰にも分かりません。

それでも、

「何もしないよりは何か行動を起こそう」

そう判断したからこそ、ペルーやチリ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンなどの国々は規制に踏み切ったのだと思います。

実際にこうしてレシピを作り、食べ、数字を見ながら考えてみると、

なるほど、そういう考え方もあるのか。

そんなふうに思えてきます。

この研究室では、これからもおいしさと健康、その両方を見ながら、実際に作って確かめていきたいと思います。




南米規制チャレンジレアチーズケーキ2
2026年06月24日

フォークが負けた!?オートミールでレアチーズケーキのタルト生地作りに挑戦

【南米の食品規制チャレンジ研究室】
この研究室では、世界の食品規制を参考にしながら、おいしさと未来の体づくりの両方を考えた料理を研究しています。

 

前回、オートミールでクッキーを作ってみたところ、思った以上に美味しくできました。
「これならタルト生地にもなるんじゃないかな?」

そんな軽い気持ちでレアチーズケーキを作ってみたんです。

ところが……

フォークが負けちゃったんです(笑)。

「えっ?」

思わず笑ってしまうくらい硬い。

もちろん食べられます。



でも、レアチーズケーキの土台としては違います。

サクッと割れてほしいのに、ガチガチ。

そこで今回のテーマは一つだけ。

どうしたら、オートミールでサクサクのタルト生地が作れるのか。

その答えを探すことにしました。

まずは素直に材料を変えてみます
最初に試したのは、オートミール80g、米粉50g、おから50g、バター16g、水大さじ4。

焼き上がってすぐに食べると、

「おっ、いいじゃない。」

少しホロッとしていて、パンのようなやさしい食感です。

これは期待できそう。

ところが……

冷めてからもう一度食べると、

ガリッ。

「えっ? 同じクッキー?」

焼きたてとはまるで別物です。

とにかく硬い。

ハッキリ言って前回のクッキーより硬いかもしれません。

これはレアチーズケーキの土台には厳しそうです。

オートミールクッキー





それならバターを増やしてみます
次は、
「油脂が増えれば、もっとサクサクになるはず。」

そう考えて、おからを抜いてバターを23gまで増やしました。

期待しながら焼き上がりを待ちます。

さて、どうだろう……

パキッ。

「あれ?」

やっぱり硬い。別のみで硬い

 

食感も思ったほど変わりません。

どうやら、バターを増やしただけでは解決しないようです。

今度はコーンスターチです
次は、
「ホロホロ感ならコーンスターチかもしれない。」

そんな予想で配合を40gに増やしました。

すると確かに少し軽くなります。

「おっ、近づいてきたかな?」

そう思ったのも束の間。

今度はクッキーの中に空洞ができています。

しかも少し粉っぽい。

悪くはありません。

でも、硬い

「あと一歩。」

そんな感じです。

オートミールクッキー2

 



だんだん面白くなってきました
ここまで何回焼いたでしょう。
最初は、

「タルト生地が作れたらいいな。」

くらいの気持ちでした。

でも何度も作っているうちに、

「あれ?」

ということが増えてきます。

バターを増やしても大きく変わらない。

コーンスターチを増やしても決定打にならない。

ということは……

もしかして、材料じゃない?

そんな気がしてきました。

こうなると、だんだん実験が面白くなってきます。

料理を作っているというより、

謎解きをしているような気分です。

 



発想を変えてみます
今まで私は、
オートミールへ最初に水を入れていました。

これが当たり前だと思っていたんです。

でも、

「もし順番を変えたら?」

そんなことを思いつきました。

そこで今回は、

まずオートミール100gへ米油大さじ3を加えます。

ここでしっかり混ぜてからそのあとに
米粉大さじ3、

水大さじ3を加えて練り、

最後にザラメ10gを混ぜて整形しました。

そして180℃で25分。

焼き上がったクッキーをひと口。

サクッ。

「あっ!」

思わず声が出るくらいいい。

今までと全然違います。

サクッとして、

そのあとホロッ。

これならレアチーズケーキの土台として十分使えそうです。

 

オートミールクッキー3



しかも驚いたのは、

材料を大きく変えたわけではないこと。

違うのは、

最初に水を入れたか。

それとも、

最初に油を入れたか。

たったそれだけでした。

本当に順番だけなんでしょうか?
気になったので、もう一度試します。
今度は米油をオリーブオイルに変更。

さらに米粉も少し増やしてみました。

結果は……

ほとんど変わりません。

ということは、

米油だからではなさそうです。

どうやら、

オートミールを最初に油でコーティングしたこと。

ここが一番大きなポイントだったようです。

もちろん、私は食品科学の専門家ではありません。

ですから断定はできません。

オートミールクッキー4

 



ただ、

オートミールは最初に水を加えると、β-グルカンの働きで粘りが出やすくなります。

一方で、最初に油をまとわせることで、その粘りが抑えられ、サクサクした食感につながったのではないか。

そんなふうに考えています。

もちろん、これはまだ仮説です。

でも、この「なんでだろう?」を考えている時間が、とても楽しいんです。

今回、一番良かった配合はこちらです
オートミール100g
米油またはオリーブオイル 大さじ3

米粉 大さじ3~4

水 大さじ3

ザラメ 10g

180℃で25分。

焼き上がったクッキーを家族に食べてもらうと、

「これ、おいしいね。」

という言葉が返ってきました。

もちろん、本格的なタルトとは違います。

 

オートミールクッキー5


でも、

オートミールでここまでできるとは思っていませんでした。

私自身も、「これはレアチーズケーキの土台として十分使える。」

そう感じています。

そして、ここからが研究室の本番です
実は、この研究はここで終わりではありません。
むしろ、ここからがスタートです。

このタルト生地を作りたかった理由は、

おいしいレシピを増やしたかったからだけではありません。

料理は今日のお腹を満たします。

でも同時に、

未来の自分の体も作っています。

南米では、糖分の摂り過ぎや超加工食品の増加が、医療費や国の働き手にまで影響すると考え、砂糖税や警告表示、超加工食品への課税など、さまざまな取り組みが進められています。

日本ではまだあまり話題になりませんが、

「世界では、そんな考え方もあるんだ。」

そう知ったとき、料理を見る目が少し変わりました。

だから、この研究室では、

「おいしい。」

だけでは終わりません。

「その料理は未来の体という視点ではどうなんだろう?」

そこまで考えてみたいと思っています。

次回は、このタルト生地を南米各国の食品規制の基準に当てはめながら、どんな評価になるのかを一緒に見ていきたいと思います。

料理って、本当に面白いですね。

2026年07月04日

砂糖を2倍にしたクッキーは規制に引っかかるのか?

 


クッキーを少し改良してみました
前回作ったクッキーは、規制という点ではとても良い結果になりました。
でも実際に食べてみると、

「もう少し食べやすくできないかな」

という気持ちも出てきました。

そこで今回は、レシピを少し変更してみます。

今回の材料はこちらです。

オートミール 100g
米油 大さじ2
米粉 大さじ3
水 大さじ3
ざらめ 10g
てんさい糖 10g
作り方は、まずオートミールに米油を加え、全体に油をなじませます。
そのあと米粉、水、ざらめ、てんさい糖を加えて混ぜ、生地をまとめて焼きました。


油を減らしてみた結果


前回より油を大さじ1杯減らしてみました。
すると食べた感じは、とても軽くなりました。

以前よりも油っぽさが少なく、私はこちらの方が好みです。

ただし、生地をまとめるときは少し苦戦しました。

あと少しだけ水分が欲しい。

そんな印象です。

とはいえ、焼き上がったクッキーは十分サクサクしています。

食感については前回とほとんど変わりませんでした。

そこで次回は、水だけ少し増やして試してみようと思います。

米粉は先に水で溶いた方がいいのか?
もう一つ気になったことがあります。
今回は、

オートミールに油を混ぜたあと、

そのまま米粉と水を加える方法と、

米粉をあらかじめ水で溶いてから加える方法、

この2通りで作ってみました。

「米粉を先に溶いた方が、生地がまとまりやすくなるのでは?」

そんな予想をしていたんです。

ところが結果は意外でした。

焼き上がりを食べ比べても、

サクサク感はほとんど変わりません。

味も大きな違いは感じませんでした。

少なくとも今回の配合では、

米粉を先に溶く手間をかけても、大きなメリットは見つけられませんでした。

砂糖を増やしたら、南米の食品規制ではどうなる?
今回のレシピでは、
前回より砂糖を増やしています。



前回は砂糖が合計10gでしたが、

今回は

ざらめ 10g
てんさい糖 10g
合計20gです。
甘さは少し増えましたが、

南米の食品規制ではどう評価されるのでしょうか。

焼き上がり重量や栄養成分から考えると、今回も100g当たりの糖類量は前面警告表示の基準を大きく超える配合ではなく、多くの国で「高糖分」の警告表示は不要となる可能性が高いレシピです。ただし、制度は国ごとに細かな違いがあるため、それぞれ見てみます。

国 今回のレシピの評価
チリ 「高糖分」警告表示の対象になる可能性は低い。
ペルー 警告表示の対象になる可能性は低い。
メキシコ 糖類だけを見ると警告表示の対象になる可能性は低い。添加物の種類によっては別の表示が必要になることもありますが、今回の材料ではその心配はほとんどありません。
コロンビア 警告表示の対象になる可能性は低い。
アルゼンチン 基準内に収まる可能性が高い。
ブラジル ブラジルは前面表示制度が他国と異なりますが、今回の配合で糖類が強く問題視される可能性は低いと考えられます。

 


今回の研究で分かったこと


今回の実験で分かったのは、「油を減らしてもサクサク感は保てる」

ということでした。

その代わり、生地は少しまとまりにくくなります。

次回は、水の量だけを少し増やして、この点が改善するか試してみようと思います。

また、「米粉を先に水で溶く」という方法も試しましたが、

今回の配合では焼き上がりにほとんど違いはありませんでした。

こういう「やってみたけれど結果は変わらなかった」という実験も、積み重ねていけば、無駄な工程を省けるヒントになります。

この研究室では、南米の食品規制に適合するかどうかだけでなく、「より作りやすく」「よりおいしく」を目指して、これからも少しずつ改良を続けていきたいと思います。

2026年07月16日

砂糖を増やしたら、市販のクッキーの味に近づきました|南米の食品規制チャレンジ研究室


今回も「南米の食品規制チャレンジ研究室」です。

南米などで行われている食品規制を参考にしながら、「家庭で作るお菓子は、どこまで変えられるんだろう?」

そんなことを実際に作りながら試しています。

今回はオートミールのクッキーです。

実はこれまで、砂糖の量を少しずつ変えながら何度か作ってきました。

そして3回目を食べたとき、

「あれ? ちょっと甘すぎない?」

と思ったんです。

ところが、その「甘すぎる」が今回とても面白い発見につながりました。

まずは1回目
材料はこちらです。

オートミール 100g

米油 大さじ2

米粉 大さじ3

水 大さじ3.5

きなこ 大さじ1

ごま 大さじ1

ザラメ 20g



それ以前には砂糖10g程度でも試していました。

そこから20gに増やしてみると、ちゃんとクッキーらしい甘さになります。


でも、

「甘すぎるなあ」

という感じではありません。

きなことごまの香ばしさもあって、私にはこのくらいがちょうどいい感じでした。

2回目はピーナッツを入れてみました
次はこちらです。



オートミール 100g

米油 大さじ2

米粉 大さじ3

水 大さじ3

バターピーナッツ 大さじ2

ザラメ 20g

使ったバターピーナッツは、トマトコーポレーションの粒入りタイプ。

100g当たり、

エネルギー609kcal
たんぱく質25g
脂質45g
炭水化物25g
食塩相当量0.8g

というものです。

砂糖は今回も20g。

ピーナッツが加わることでコクが出るので、甘さだけではないおいしさがあります。

ここでも、

「砂糖は20gくらいでも十分じゃないかな」

という印象でした。

 



そして3回目。砂糖を30gにしました


材料はこちら。

オートミール 100g

米油 大さじ2

米粉 大さじ3

ココナッツミルク 大さじ3

ザラメ 20g

てんさい糖 10g

塩 少々

砂糖は合計30gです。

10gから始めて、20g、そして30g。

少しずつ増やしてきたわけです。

「30gなら、もっとおいしくなるかな?」

と思って食べてみました。

 


ところが、「あれ? ちょっと甘すぎるぞ」となりました。

もちろん、おいしくないわけではありません。

むしろ、お菓子としてはとても分かりやすい味です。

そして食べているうちに、

「これ、市販のクッキーの味に近くない?」

と思ったんです。

では、この3つは南米の規制に引っかかるのでしょうか?
ここで、この研究室らしい疑問が出てきました。

1回目、砂糖20g。

2回目も20g。

3回目は30g。

だったら、

「どれが南米の食品規制の基準を超えるんだろう?」

調べてみたくなります。

ところが、ここで一つ問題がありました。

焼き上がったクッキーの重さを量っていなかったんです。

 


これは今回の反省点です。

砂糖20gだから「20g/100g」ではありません
ここは私も実際に作ってみて、改めて面白いと思ったところです。

例えばオートミール100gに砂糖20gを入れたからといって、

「このクッキーは砂糖20g/100g」

とはなりません。

米粉も入っています。

油も入っています。

水も入っています。

きなこやごま、ピーナッツも入っています。

そして焼けば水分が飛びます。

南米などで採用されている食品の前面警告表示では、こうした最終的な食品を100g当たりに換算して判定する制度があります。

例えばチリでは、一定の条件に該当する固形食品について、100g当たりの糖類、エネルギー、飽和脂肪、ナトリウムなどに基準が設けられています。

ですから本当なら、「焼き上がったクッキー全部で何gだったのか」

これを量っておく必要がありました。

今回は量っていません。

 


そのため、

1回目=規制対象
2回目=規制対象外

というような断定はできません。

これは正直に「今回は判定不能」としておきます。

でも、判定できなかったから分かったこともあります
最初は、「砂糖を何g使ったか」ばかり考えていました。

でも規制の基準を調べてみると、それだけでは足りなかったんです。

同じ砂糖20gでも、出来上がったクッキーが200gなのか、150gなのか、120gなのかで、100g当たりの糖類は変わってきます。

さらに、材料そのものに含まれている糖類や脂質、ナトリウムなどもあります。

つまり食品規制が見ているのは、

「砂糖をスプーン何杯入れたか」ではなく、「最終的に出来上がった食品がどんな食品になったのか」

ということなんですね。

これは実際に作ってみなければ、私はあまり意識しなかったところでした。

そして、もう一つ面白かったのが自分の舌でした
法律上の判定は、今回はできません。

でも自分の舌では、はっきり違いがありました。

20gでは、「これくらいでいいな」と思いました。
ところが30gでは、「ちょっと甘すぎるな」と感じました。

しかも、その30gの味が市販されているクッキーの甘さに近く感じたんです。

ここから考えたことがあります。

なぜ市販のお菓子は甘くなりやすいのでしょう
以前ロサンゼルスへ行ったとき、スーパーなどで買ったクッキーを食べて、

「ずいぶん甘いなあ」

と思ったことがあります。

もちろん、アメリカの商品がすべて甘いわけではありません。

ただ、私が食べたものの中には、かなり甘く感じるものがありました。

そのときは単純に、「海外のお菓子は甘いんだな」くらいに思っていました。

でも、自分で10g、20g、30gと増やしてみると、少し違った見え方をするようになりました。

商品を作る側からすれば、甘さを減らすのは怖いことでもあります。

「味が薄い」

「物足りない」

「おいしくない」

と思われてしまえば、次に買ってもらえないかもしれません。

だったら、もう少し甘くしよう。

もう少し分かりやすい味にしよう。

これは企業からすれば、とても自然な判断だと思います。

でも、それが積み重なったら?
甘いものに慣れる。

すると、それより甘くないものを物足りなく感じる。

企業は消費者が「おいしい」と感じる商品を作ります。

そして、その商品を食べ続けることで、またその甘さに慣れていく。

もしそんな循環があるのなら、

「企業が悪い」

「消費者が悪い」

という単純な話ではありません。

売れる味と、慣れていく味が、お互いを少しずつ強くしていく。

そんなこともあるのではないでしょうか。

だから中南米まで規制が広がっているのかもしれません
食品の前面警告表示はチリだけのものではありません。

ペルーをはじめ、中南米の複数の国で同じように、糖類、脂質、ナトリウムなどが多い食品を消費者が分かりやすく判断できるようにする制度が導入されてきました。

そしてチリでは、警告対象となる食品について、学校での販売や子ども向け広告にも制限があります。

ここまでやる理由を考えると、単に、「今日食べるクッキーの砂糖を少し減らしましょう」

という話だけではないように思えてきます。

 


子どもの頃から、強い甘さや濃い味だけを「普通のおいしさ」にしない。

食べ物を選ぶ環境そのものを少しずつ変えていく。

そんな狙いもあるのではないでしょうか。

では、甘さを減らしたらおいしくなくなるのでしょうか?
ここからが次の実験です。

今回の1回目では、きなことごまを使いました。

2回目ではピーナッツを使いました。

どちらも砂糖は20gでしたが、香ばしさやコクがあります。


だったら、



甘さを強くする以外にも「おいしいクッキー」を作る方法はあるんじゃないか。

砂糖を30g入れて分かりやすい甘さを作るのではなく、

20gくらいにして、その代わり香りや食感、香ばしさを工夫してみる。

もしかすると、こちらの方がこの研究室では面白いかもしれません。

次からは焼き上がったら量ります(笑)
今回、南米の食品規制に照らして判定しようとして、大切なものを一つ忘れていたことに気がつきました。

焼き上がり重量です。

なので次回からは、焼き上がったクッキー全体の重量も量ります。

そうすれば100g当たりに換算して、各国の基準と実際に比べられます。

砂糖10g。

20g。

30g。

たった10gずつ増やしただけなのに、味の感じ方はずいぶん変わりました。

そして今度は、その違いを「自分の舌」だけではなく「食品規制の数字」でも見てみたいと思います。

果たして、私が「ちょうどいい」と感じるところと、南米の食品規制の境目は、どのくらい離れているのでしょうか。

次のクッキー作りが、ちょっと楽しみになってきました。

南米の食品規制チャレンジ研究室。

まだまだ実験は続きます。

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2026年08月13日