あじねフライパンは、サイズのほか板厚と深さが選ぶことが出来る、あなた用に作る鉄製のフライパンです。
今まで、大きい物や小さい物などサイズを選んだりする事はあっても、板厚を考えたり、深さをどうするかと選んだりする事はあまりなかったと思います。
ですので板厚が選べるからと言って「板厚を1.2ミリする」「1.6ミリにする」と言われたり、深さを5cmにする、7cmにするといわれても、それがどう使いやすいのか、それがお料理をどう美味しくしてくれるのかなど、分らないとご意見を頂きます。
実際、1.2ミリと1.6ミリの違いを、親指と人差し指で考えたとしても、たった0.4ミリですので、指先が震えるだけで分りません。
深さにしても、5cmと6cmの差1cmの違いが、どう使いやすさに関係してくるかは実感がわかない所だと思います。
でも、その「たった」と表現できる位の違いが、実は、お料理を美味しく仕上げたり、「こう言うのって使いやすい」って思えたりします。
その「たった」と言われる小さな中に、お料理を面白く、楽しくしてくれる事が沢山あります。
ですので、これまで皆さんがフライパンを選んで来た方法と、このフライパンを選ぶ方法がちょっと違うかもしれませんが、それは「お料理の性質をちょっと考えてみる」「素材の性質を考えてみる」「その調理方法が何の効果があるのを考えてみる」と言った料理、素材、調理から見たフライパン選びです。
説明で、聞き慣れない言葉に戸惑ったりするかも知れませんが、お付き合い頂けましたらと思います。
「板厚を選ぶ」について
板厚とは、フライパンを作る時に使う鉄板のサイズです。サイズは一番薄い1.0ミリから1.2ミリ、1.6ミリ、2.3ミリ、3.2ミリ、4.5ミリの6種類があります。
この板厚を選ぶのに参考にして頂きたいのが、有名な料理研究家の方が使っている、と言う事ではなく、美味しく焼く、素材を活かせるように焼くと言う視点です。
例えば、ハンバーグです。
ハンバーグの美味しい焼き方は、昔から変わっていません。
方法は、初めに高温で表面を焼いて肉汁を閉じ込める様な壁を作ってから、その後はあまり動かさず、じっくり熱を通すです。この様にじっくり焼く事を、道具として叶えるようなフライパンにしてあげる。こうすれば美味しく焼くハンバーグはできます。これには板厚を当てはめてあげれば出来る事です。
この場合、板厚を厚くしたフライパンならそれが叶いますので、厚みは2.3ミリ以上を考えると良いです。
具体的には2.3ミリや3.2ミリ、4.5ミリで作るフライパンになります。
こうなると、どんなフライパンになるのかと言うと、持った感じからずっしり感がある、重量クラスのフライパンになります。
しかし重いフライパンは「重いから使い難い」と思われますが、ハンバーグは焼きあがるまでフライパンはあまり動かしませんので、重くて使い難いではなく、それは逆に得意な事となって、「今日のハンバーグおいしい」って言われたり、「うちのハンバーグは美味い」とか「うちの妻は料理が上手い」って事に繋がっていきます。
こう言ってしまうと、ハンバーグ用にフライパンを用意するなんてもったいない、と思う事もあるかもしれません。
でも、この“じっくり焼く調理”を求める料理は、ハンバーグのほか、餃子やお好み焼き、生姜焼きやオムレツなど、他にも結構あったりします。
逆にチャーハンをこのフライパンで作るとなると、至難の技と言うか、あれだけハンバーグによかった重さが、まったく逆の作用になってしまいます。
そのチャーハンには軽快に振れる。そんなフライパンが良い訳ですが、これには板厚2.3ミリは必要ありません。板厚は1.2ミリまたは1.6ミリまでのものが、そのタイプです。
チャーハンの話が出ましたが、このチャーハンを美味しくしたいと思ったとき、チャーハンの調理を考えてみますと、フライパンを調子よく振ることで中の食材がかき混ざり、そのかき混ざる事で均等に炒められています。
また調子よくかき混ざる事で、細かく切った材料に熱が入り、さらに調子よくかき混ざる事で、調味料がムラなく行き渡ります。
その他作る方によっては、秘伝の調味料なんてのもありますが、基本的に美味しいチャーハンと考えた場合、調子よく振ってかき混ざる事は絶対はずせない項目です。
ですので、これを叶えるようなフライパンにしてあげる、ここに1.2ミリ板厚の板厚を選ぶのは良い選択です。
この1.2ミリタイプは、一般に使われているアルミタイプのフライパンと同じ位の重さですので、持った感じも「鉄は重い」と言う事もなく、違和感なくフライパンは振れます。
今、1.2ミリから1.6ミリと言いましたが、お使いの熱源がガスでしたら1.2ミリ、お使いの熱源がIH器でしたら1.6ミリ板厚と見ていただくといいです。
この違いは、ずばり!IH器の性質です。IH器は熱源が平らな面です。一方、ガスは五徳と言う爪で支えられています。
私達のフライパンは鉄ですが、鉄に限らずどんな金属も、熱をかければ膨張が起こります。
またIHの熱面は平らなように見えても完全な平ではなく、熱をかけての金属膨張とIH器の熱面がどうなるかがポイントです。
そのため、多少なりとも抵抗出来る様に、また反応するようにとした結果が、IHのフライパンはガス用に比べて重いフライパンになっています。
ですので、熱膨張は必ず起こりますが、私達でもIH器をお使いの方は、板厚1.6ミリ以上のフライパン選ばれるのをお勧めしています。
熱源/板厚 | 1.0ミリ | 1.2ミリ | 1.6ミリ | 2.3ミリ | 3.2ミリ | 4.5ミリ |
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ガス | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
IH | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
ガスとIHでも、板厚の選び方を表にしてみましたので、板厚を選ぶ場合の参考にしてください。
「深さ」について
深さとはフライパンの深さです。私達のフライパンでは、標準、1cm深、2cm深と3タイプを通常だしています。
この3種類の差はたった数センチですが、これがあるのとないのでは、さっき言いましたチャーハンのようなフライパンを振って作る料理は、断然変ります。
どう変るのかと言うと、作り易くなります。
それは、その数センチあるだけでも“こぼれに難くなる”からです。
こう聞くと、そんなたった数センチで変るのか?と思うと思いますが、これは単なる使っている時の印象かもしれませんが、でも、たった数センチの違いでも振りやすく、それは美味しいチャーハンに繋がりますので、深さを考える事は重要です。
こう言うと、だったら深い方が、何にでも使いやすいフライパンになるのか?と言うと、これが結構そうではありません。
良い事ばかりをお伝えできたら良いのですが、道具ですのでそうでない所もあります。
例えば、餃子を焼いて、それを取る時です。
深いフライパンは鍋肌が窮屈で、ヘラが邪魔になる事があります。
また、フライパンの作る工程上、深さを求めると、それに比例して底面がどうしても小さくなってしまいます。
例えば、28cmの大きいフライパンでも、深さを一番深い物にすると26cmのフライパンと変わらないような底面のサイズになります。
そうなると、底面を使って焼くような餃子やステーキは、思っている程具材が並ばないって事があります。
ですので、チャーハンの様なフライパンを振って作るお料理は、深さがあるものを選ぶ。
また餃子やハンバーグなどフライパンを動かさず、フライパンの底面を使って焼くものは、逆に深さは要りませんので深さのないタイプを選ぶなど、調理や素材に合わせてフライパンを少しでも合わせてあげると、お料理の仕上がりが変わってきます。
最後は「サイズ」です。
フライパンのサイズを選ぶ事は今までもあると思いますが、大方の目安は1~2人なら22cm、2~3人なら24cm、3~4人なら26cm、4~5人なら28cmを基準に考えられるといいです。
その他用途としては小さいタイプは、お弁当のおかず作りにちょっとを炒める、そんな使い方をするのに便利なサイズです。
またフライパンは大は小を兼ねる道具でもあります。
と言うのは、小さいフライパンで窮屈に炒めるより、大きいサイズでゆうゆうと炒めた方がお料理は上手に出来ます。
例えば調味料を入れた時、窮屈な中で調味料を入れても、全体に行き渡らないと言うか、味にムラが出来てしまいます。
でも、少し大き目のフライパンでしたら、フライパンの中で食材が広がりますので、調味料も行き渡ります。なので味見をした時も、その味見の味が全体の味なので、料理の仕上がりが良くなります。
ですので、もしサイズで悩まれていたら、少し大き目のタイプを選ばれると良いです。
また、22cmから28cm以外30cmなども出来ますので、お作りなる人数やお料理の量でお選び下さい。
ここまで、ざっと流れる様に説明してきましたが、分からない事などもあるとおもいます。その場合はメールでも、お電話でもご利用下さい。
「板厚なんて、深さなんて、オーダーなんて・・・・フライパンなんて、炒める事が出来ればどれも同じ」そんな見方もありますが、ちょっと視点を変えて見て上げると、実はとっても面白い道具なんです。
自分の肩幅に合わせたシャツを着て腕を伸ばした時、自分の足に合わせた靴を履いて階段を上がった時、それを身に付けた人にしか判らない軽快感と言うか、心地よさがあります。
調理にフライパンは、よく使う道具です。その時に、そんな心地よさを、食材や調理にあった形であなた用に作るフライパンは、強い味方になってくれます。