鉄フライパンでキャベツを上手に炒めるには?
鉄フライパンでキャベツを上手に炒めるには?
切り方と炒め方のちょっとしたコツ
キャベツって、どんな料理にも使えて便利な野菜です。
でも、炒めたときに「なんだか水っぽい…」「ベチャッとしちゃった…」と感じたこと、ありませんか?
実は、切り方・水の使い方・炒め方の3つをほんの少し工夫するだけで、キャベツはグッとおいしくなるんです。
しかも鉄フライパンなら、高温短時間で仕上げられるので、キャベツの甘みやシャキッと感を最大限に引き出せます。
今回は栄養を損なわずにキャベツを美味しく炒める方法を、科学的な根拠とともにわかりやすくお伝えします。
まずは切り方。キャベツは「縦に切る」
キャベツの葉っぱには、中心(芯)から外側に向かって筋(葉脈)=繊維が縦に走っています。
この繊維に対して横に切ってしまうと、繊維が断ち切られ、加熱したときに食感が失われやすいんです。
逆に、葉の流れに沿って縦に切ることで、炒めたときにも繊維が残って、シャキシャキとした歯ごたえが生まれます。
さらにポイントなのが、キャベツを丸ごと刻むのではなく1枚ずつ葉をはがしてから丸めて切ること。
こうすることで、葉の丸まりや厚さの違い、さっきの繊維の向きを調整しやすくなり、火の通りも均一になりやすくなります。
そして、切ったあとは「冷たい水にさらす」
キャベツを切ったあとは、冷水に3〜5分さらすのがおすすめ。
これで葉の細胞が水を吸収して張りを取り戻し、炒めてもシャキッとした食感が残りやすくなります。
ちなみに「できるなら冷たい水」を使うのがポイント。
ぬるい水では効果が半減しますし、逆に氷水だとシャキッと感がより強くなります。炒める前にはしっかり水気を切るのを忘れずに。
これ意外にポイントです。
と言うのは水が残っていると、フライパンに入れたときに蒸し焼き状態になってしまい、食感が失われてしまうからです。
炒め時間は「できるだけ短く」!その理由とは?
キャベツは火を通すと、独特の甘みと香ばしさが出てとても美味しくなりますが、炒めすぎには注意が必要です。
というのも、キャベツには以下のような熱に弱い栄養素が含まれているからです。
• ビタミンC:加熱によって分解されやすく、炒め時間が長いと最大で半分以上が失われることも
• 葉酸:水溶性で熱にも弱く、100℃で5分以上加熱すると大きく減少
• カリウム:水に溶けやすく、さらに過熱時に水分とともに流出しやすい
だからこそ、鉄フライパンでサッと炒めて短時間で仕上げるのがベストなんです。
鉄フライパンは熱をしっかり高温を保ってくれるので、シャキッと炒めたいときにも、甘みを引き出したいときにも最適です。
なぜキャベツを炒めると甘く感じるの?
キャベツにはもともと、グルコースやフルクトースといった自然の糖分が含まれています。
加熱によってこれらの糖が細胞から出てきて、舌に甘みとして感じられるようになるんです。
さらに、高温で炒めることで「メイラード反応」が起こり、アミノ酸と糖が反応して香ばしさとコクが加わるんです。
これは鉄フライパンならではの魅力で、表面加工のあるフッ素樹脂のフライパンではその加工が傷む事から高温に出来ずなかなか得られない風味です。
つまり、キャベツを炒めると甘みを感じるのは、科学的にもちゃんとした理由があるんです。
シャキシャキ派? しんなり派?料理で炒め方を変えよう
キャベツ炒めには大きく分けて、「シャキシャキ感を楽しむ料理」と「しんなり甘みを引き出す料理」の2タイプがあります。
●シャキシャキ感を出したい料理
• 野菜炒め
• 回鍋肉(ホイコーロー)
• チャンプルー系炒め物
こういった料理では、キャベツの食感がアクセントになります。さっと高温で炒め、シャキッとしたまま仕上げるのがポイント。
●しんなりさせたい料理
• お好み焼き
• 焼きそば
• スープの具材など
これらは逆に、キャベツを少し長めに炒めたり、蒸し焼き効果の使ったりして甘みを出す方が料理にまとまりが出ます。味が全体になじみ、優しい風味に。
炒め方ひとつで、キャベツの役割がガラッと変わるんです。料理の種類に合わせて炒め方を変えると、毎日のごはんがもっと楽しくなりますって大きく言ってみました。
お弁当にも大活躍!キャベツの炒め物で「寂しさ回避」
お弁当って、どうしても茶色系のおかずが多くなってしまいがちですよね。そんなときこそキャベツの出番です。
シャキシャキに仕上げたキャベツ炒めは、冷めてもべちゃっとしにくくて、塩と胡椒で炒めただけでも美味しく食べられます。
見た目にも鮮やかなので、ほんの少し入れるだけで、お弁当全体が明るく見えるという嬉しい効果も。
「あと一品、何か足したい…」というとき、キャベツをサッと炒めて入れておくと便利ですよ。
まとめ|炒め方ひとつで、キャベツはもっとおいしくなる!
キャベツを鉄フライパンで上手に炒めるためには、
• 繊維に沿って“縦に切る”
• 切ったら“冷たい水にさらす”
• シャキシャキを目指すなら炒め時間は“できるだけ短く”仕上げる
という3つのポイントをおさえておきましょう。
炒めるだけの簡単な工程でも、切り方や火の入れ方をちょっと意識するだけで、味も見た目もワンランク上の仕上がりになります。
鉄フライパンだからこそ引き出せる、キャベツ本来の甘さと食感を楽しんでみてください。
今日のごはんが、ちょっと楽しく、ちょっと誇らしくなるはずです。
