焼くとはどういうことか?水分で見えてくる火の仕事
焼いているのに、
なぜか焼けていないと感じることはありませんか。
ちゃんと火にはかけているし、
音だってそれらしく聞こえる。
それなのに、
どこか「焼けていない」感じが残る。
火が弱かったのかなと思ったりする
そんなとき、
少し見方を変えてみると、
違うことが見えてきます。
この時フライパンの上では、お肉や野菜から出てきた水分が広がっている状態になっていることがあります。
焼いているのに実際には焼いているのではなく、水分の中にあるような状態。
だからその間は、
焼いているような香りも出てこないし、
香ばしさも出てこない。
どちらかというと、
湯気が立つような、
蒸されているような状態に近いんです。
実はこの状態、
まだ水分が抜けきっていない状態でした。
ここから水分が抜けていくと、少しずつ変化が起きてきます。
音が変わり、表面が乾いてくる。
そして水分が抜けきったところで、はじめて焼き色がつき、香りが立ち上がってきます。
つまり、焼きと言うのはいきなり焼きが始まるのではなく、水分が抜けたあとに焼きが始まる
という順番なんです。
さらに進むと、水分が少なってくると同時に温度が上がっていき、今度は焦げに近づいていきます。
こうして見ていくと、
焼くという行為は一本の流れとして見えてきます。
水分が出て、水分が抜けて、焼き色がつき、さらに進むと焦げていく。
その中で、どこで止めるかがおいしさを決めているとも言えます。
ここでもう一つ大事なことがあります。
せっかく水分が抜けて焼きが立ち上がったところで、液体の調味料を入れるとどうなるか。
醤油や焼肉のタレ、ソースなどはすべて水分を含んでいます。
これらを入れるとフライパンの温度が下がり、
再び水分が加わる状態になります。
少量であればフライパンの持っている熱でその影響を受けにくいこともありますが、
量が増えてくると温度が大きく下がり、せっかく進んだ状態が戻ってしまうこともあります。
もちろんこれは、フライパンの厚みや大きさ、火力や食材の量によっても変わります。
ただ一つ言えるのは、液体を入れるということは、水分を足すことでもあるということです。
こうして水分の流れで見ていくと、焼くという行為はただ火を当てることではなく、
水分をどう扱うか、という話になってきます。
同じ「焼く」という行為でも、今どの状態にいるのかが分かるようになると判断がしやすくなります。
焼くとは、水分が抜けていくことではなく、
水分が抜けたあとに起きる変化でした。
そう考えると、料理は少し面白くなってきます。
フライパンでの調理もただ作るだけでなく、変化を見ながら進めるものに変わっていきます。
最後に
私たちはこうした変化を感じながら料理を楽しめる道具として、鉄フライパンを作っています。
もし興味があれば、あじねフライパンについてもご覧ください。












