鉄フライパンで作る肉詰めしいたけ~失敗しない焼き方と旨味を引き出すレシピ

鉄フライパンで作る肉詰めしいたけ
──いつもの材料で、ちょっと幸せな晩ごはん──

 

椎茸と豚肉。どちらも毎日のように見る、ほんとうに普通の食材です。
でも、この二つをぎゅっと合わせて焼くだけで、「え、こんなに美味しくなるの?」って、ちょっとびっくりするような一皿ができます。
なんでもない日なのに、ふと気持ちがあたたかくなる。そんな“家ごはんの奇跡”ってありますよね。

実はそれ、ちゃんとワケがあるんです。
しいたけにはグアニル酸という旨味、豚肉にはイノシン酸という旨味、そしてしいたけ自身のグルタミン酸
これらが合わさると、旨味がただ加わるだけじゃなくて、一気に“ぐんっ”と伸びて7〜8倍にも感じることがあると言われています。
だから、シンプルな肉詰めしいたけでも「すごく美味しい」って感じるんです。

そしてこのおいしさを、いちばん上手に引き出してくれるのが鉄フライパン なんです。

 

 

■ 鉄フライパンって、こういう料理が得意なんです

鉄って、一度あったまると熱をしっかりキープしてくれるんです。
特に厚板のタイプ。
だから「外は香ばしく、中はふっくら」みたいな料理は本当に得意。
肉詰めしいたけもその一つで、鉄フライパンとの相性はもう抜群です。

下準備はすごく簡単。
・ひき肉は軽くペタペタして空気を抜く→これだけで縮みにくくなって、椎茸から外れにくい!
・椎茸にちょっと片栗粉→これも実は大事。ぴたっとくっついてくれます。

そして焼くときのポイントは……最初の高温&そのあとの弱火。
① 油を入れる
② 煙が出る手前まで温める③ ここで “ふぅ” とひと息④ そのまま肉を下にして並べる
これで旨味を閉じ込めてくれるんです。

そしたらすぐ弱火へ。そして、ここ大事なんですけど——動かさない!
鉄は熱が逃げないので、弱火でもじっくり中まで火が入ります。

蓋をしてしっかり蒸し焼き。

 

 

■ 仕上げのワンポイント

そして一回裏返す
肉には火が通っているのと、その蒸気でも椎茸には熱が入っているので、もう頃合いかと

で、もっとジューシーにしたいときは、最後に水をほんの大さじ1ほどいれて蓋をして数十秒。
目玉焼きの方法と同じ、瞬間に熱をあげて、火の追い討ちです。

これが「じゅっ」と立つ湯気と香りで、キッチン全体を一瞬で“おいしい時間”にしてくれます。

 

 

■ 食卓に置いたときのうれしさ

肉詰めしいたけって、お弁当にも、夕飯にも、主役にもなれるので便利です。
しかも椎茸と豚肉、どちらもお手頃なのに、食べると “価格以上の満足感” がちゃんとある。

そして、鉄フライパンで焼いたときの焼き色や香りは、やっぱり特別です。鉄ならではの“熱の深み”です。作り手としてもちょっと嬉しくなりますよね。
鉄フライパンって、ただの調理器具じゃなくて、“料理の楽しさ” を増やしてくれる相棒みたいな存在です。

 

 

■ 今日の台所で

椎茸と豚肉という、なんてことない食材。でもその中に隠れた旨味の科学や、鉄フライパンの熱の力が合わさると、ふだんの料理がぐっと表情を変えます。

肩の力を抜いてサッと作れるのに、一口食べるとなんだか嬉しくなる。
そんな“ちょっと幸せな一皿”を、ぜひ今日の台所で楽しんでみてください。

 

 

 

鉄フライパンをにぎっている


2025年11月21日