チャーハンを上手に作る。鉄フライパン編

チャーハンを上手に作る。鉄フライパン編

「チャーハンって冷凍ご飯の処分料理じゃないの?」
そう思っていたら、実はとんでもない誤解なんです。
余り物を寄せ集めてなんとなく作る料理、そんなイメージを持たれがちなチャーハンですが、ちょっとした工夫と鉄フライパンを使えば、冷凍ご飯が“処分”ではなく“ごちそう”に生まれ変わります。
しかも、難しそうに見えて実はルールさえ守れば誰でも上手に作れる料理なんです。今回はその秘密をお話ししていきます。

 

チャーハン作りの2つのルール

チャーハンを成功させるためには、たった2つのルールを頭に入れておけば大丈夫です。

1.火を通すべき食材は、あらかじめ火を通しておくこと
2.卵の使い方を工夫すること

この2点だけを意識すれば、あとは鉄フライパンに任せるだけ。では、具体的にどういうことなのかを見ていきましょう。

ルール1:火を通す食材と通さなくてよい食材を見極める

チャーハンにはいろんな具材を入れられます。チャーシュー、ハム、ソーセージ、ひき肉、かまぼこ、ちくわ、野菜など、選び放題です。ただし、ここで大事なのが「火を通す必要があるのかないのか」を見極めること。

例えば、

チャーシュー:すでに火が通っているので、そのまま刻んで加えるだけでOK。
ハムやソーセージ:加工済みなので、加熱しなくても食べられます。炒めるのは香ばしさを出すため。
ひき肉:これは生のままでは食べられません。必ず事前に炒めて火を通しておきましょう。
ネギ:生でも食べられるので、炒めるのは香りを出したいときだけ。
玉ねぎ:生だと辛みが強いので、軽く火を通して甘みを引き出すのがポイント。
かまぼこやちくわ:加工食品なので火を通さなくても安心して食べられます。

このように「食べられる状態かどうか」で分けるだけで、仕上げの段取りがグッと楽になります。鉄フライパンは火力が強く、短時間で具材を炒められるのが魅力ですが、それでも生のひき肉や玉ねぎを一緒に炒めようとするとご飯がベタついてしまう原因になります。だからこそ、事前のひと手間が大事なんです。

ルール2:卵の役割は“乳化”

次に大切なのが卵の扱い方。チャーハンに卵を入れるのは、単なる彩りや味付けだけではありません。卵には乳化の役割があるんです。つまり、ご飯粒一つひとつに卵がまとわりつくことで、油と米がなじみ、パラリと仕上がるということ。
卵の使い方にもいくつかがあります。

卵とご飯を事前に混ぜる方法:ご飯粒が卵でコーティングされ、強い乳化作用でパラパラ感は抜群。ただし、モチモチ感が薄れます
卵を先にフライパンで焼いてからご飯を投入する方法:卵が半熟状態でご飯と絡み合うので、卵感と米の食感が両立。こちらの方が「炒めた感」が強く出ます。

どちらが正解というわけではありません。自分の好みやその日の気分で選んでOKです。チャーハンの魅力は自由さにあるのですから。

鉄フライパンで作るチャーハンの流れ

それでは実際の流れを鉄フライパンで確認してみましょう。

1.フライパンをしっかり熱する
 鉄フライパンに油を入れて強火で加熱。うっすら煙が立ち上るくらいが目安です。ここで一度深呼吸してから食材を入れると、温度が   安定して食材が焦げにくくなります。
2.卵を投入
 溶いた卵を豪快に入れます。しっかり溶いても良し、あえて白身を残して加減を楽しむのも良し。これは完全にお好みです。
3.ご飯を入れる
 卵がまだ半熟のうちに、ご飯を投入。卵と絡めながらご飯をいためていきます。
4.具材を投入
 あらかじめ炒めて置いた具材や準備して置いた具材をこのタイミングから手際よく入れます。チャーシュー、かまぼこ、ナルト、炒めたひき肉など。入れる順番は自由ですが、油ものが先の方が均一に具材が回ります。
5.仕上げ
 フライ返しで切るように混ぜても良いしフライパンをあおっても良い。好みのスタイルで仕上げれば完成です。味付けはここで。塩コショウ、少量の醤油で十分。鉄フライパンの遠赤外線効果で、素材の旨味が引き出されるからです。

 

冷凍ご飯から“我が家の逸品”へ

こうして仕上がったチャーハンは、「余り物の処分料理」ではありません。冷凍ご飯だったなんて、食べた人にはわからないはずです。むしろ「うちのチャーハンが一番おいしい」と自慢したくなるくらい、鉄フライパンが素材の良さを引き出してくれます。
チャーハンは食材どうしの“相乗効果”が大切です。ネギの香り、チャーシューの旨味、卵のまろやかさ、それらを受け止めて一体感に仕上げるのがご飯。消し合うのではなく、引き立て合う。それがチャーハンの最大の魅力です。

 

鉄フライパンがチャーハンに向いている理由

「でも普通のフライパンじゃダメなの?」と思う方もいるでしょう。もちろん作れますが、鉄フライパンには大きなメリットがあります。

強い火力に耐える:高温にしてもびくともしない。だからご飯がパラリと仕上がる。
油なじみが良い:卵や具材が焦げ付きにくくなる。
遠赤外線効果:食材の芯まで火が通り、旨味を引き出す。

実際に使ってみると、気持ちいいもんです。



まとめ:チャーハンは家庭のごちそうに変わる

「チャーハンは難しい」と思っていたら、それは大間違いでした。
火を通す食材を事前に準備し、卵の使い方を工夫する。この2つのルールを守れば、誰でも家庭でプロ級のチャーハンが作れます。そして、鉄フライパンを使えば、冷凍ご飯でさえ“処分”から“逸品”へと変身します。
今日からあなたの家のチャーハンは、「冷蔵庫整理」ではなく「自慢のごちそう」になるはずです。ぜひ鉄フライパンで、あなただけの最高のチャーハンを作ってみてください


チャーハン
2025年10月17日