ケチャップで炒めると麺が少し柔らかくなる

こんにちは。

いつも私たちのフライパンをご愛用いただき、ありがとうございます。


お客様から「ケチャップで炒めると、麺がちょっと柔らかくなった気がするんですけど…」というお声をいただくことがあります。

実はこれ、とても良いところに気づいてくださっているんです。
私たちも調理の研究を続ける中で、ケチャップ炒めの時に麺が柔らかくなりやすい理由がいくつかあることがわかってきました。


まず一つ目は、ケチャップに含まれている「酸」の働きではと思っています。

ケチャップはトマトをベースにしていて、クエン酸やお酢といった酸味の成分が含まれています。
これらの酸は、加熱された麺の表面にほんの少しでんぷんやたんぱく質の構造を柔らかくしてるんではないかと思います。

特にスパゲッティや中華麺など、小麦を使った麺は酸の影響を受けやすく、結果的に「コシがなくなったかも?」と感じる仕上がりになってしまうのかなと思います


次に注目したいのが、ケチャップに含まれている「水分」です。
ケチャップは実は半分以上が水分なんです。そのため、フライパンで炒めると水分が一気に広がって、麺を包み込むような蒸し焼き状態になります。
鉄フライパンは水分をしっかり飛ばしてくれるのが特徴ですが、ケチャップのように粘度のある調味料をたっぷり使うと、どうしても水分が残りやすくなります。
その結果、麺が水分を吸ってふんわりしてしまい、「なんとなく柔らかくなったなあ」と感じでしまうのではと思います


もうひとつのポイントが「塩分」です。

ケチャップにはしっかり塩分も含まれていて、これが麺の中にある水分を引き出す作用をもっています。そのため、麺の中から水分がじわじわと出てきてしまい、全体がしっとり、やわらかくなったように感じることがあります。

正直、この塩分に関しては、そんなに影響はないんじゃないかなと思うんですけども、可能性としてはあるのではということでここに書きました。


それでさらに、塩分と水分の影響で麺どうしがくっつきやすくなるので、ちょっとべたっとした食感になる

とはいえ、ちょっとした工夫で、こうした「やわらかくなりすぎ」を防ぐことができます。
たとえば、麺は少し硬めにゆでておくこと、こうすることで、麺のコシを保ちつつ、ケチャップの旨みもしっかり楽しめます。


鉄フライパンは、「炒める」「焼く」「香ばしく仕上げる」といったシンプルで力強い調理にとても向いている道具です。
だからこそ、調味料の性質を少しだけ意識していただくだけで仕上がりがぐっと変わってきます。


私たちはこれからも、鉄フライパンの魅力をもっと引き出せるような調理のコツや、小さな気づきを皆さまにお届けしていきたいと思っています。

メールマガジンにもいろいろ書いてますのでどうぞ引き続き、毎日の料理に鉄フライパンを楽しく役立てていただけたら嬉しいです。

ケチャップでパスタを炒める



2025年07月05日