メルマガ303号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
あじねフライパン発行 第303号(2023/7/13)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇ 目 次 ◇
【1】 楽しいレシピのその前に
【2】「鉄フライパンの楽しいレシピ」
【3】新商品のお知らせとフライパンの出来上がりと錆磨き直し日程のお知らせ
【4】今回のレシピ詳細と更に美味しくなるポイント
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
前回のメールマガジンで「塩の扱い」を書きました。
いただきましたご意見、とても参考になりました。
ありがとうございます。
減塩が良いのか?
それとも、減塩は必要ないのか?
それに対して色々な意見があります。私は減塩は必要ないとは思いつつも、
ただ、医療関係の方たちは必要と言う方が多く正直「???」という感じでしたが、皆さんはいかがでしょうか?
それで、前回のメールマガジンでは、脳卒中のスペシャリストの家森先生と、遺伝子のスペシャリスト村上先生の対談の中に
塩の扱いのヒントがあるのではと思い紹介しました。
でも、それが余りに長くなったので後半に分けさせて頂きました。
ちなみに、前半最後に「佳境の後半」と書きましたが、果たして今回その言葉通りになるのか・・・・
それにもプレッシャーがあります。
とか言いながらも色々書いてますが、なんで「塩」の内容にしようと思ったかと言うと、母親が心臓の病気で入院していたんです。
で、先日退院しました。
それで退院の際「減塩してください。塩の量には気をつけてください」と言われたんです。
コロナ禍での退院ですので医師の言葉は絶対的存在になり、一日の塩の量を守っているそうです。
で、
この一日の量なんですが、「これ食べちゃうと簡単に超えちゃう」って言う位の量なので「いかに今まで塩分の摂り過ぎだったか」って今は思っている様なんです。
ちなみに、これは横浜市保土ケ谷区が出している「塩分について」です
↓↓
https://www.city.yokohama.lg.jp/hodogaya/kurashi/kenko_iryo/kenkozukuri/nutrition/eiyo-enbun.html
これをご覧になられて、皆さんはどう思われたでしょうか?
私の印象は、「塩は良くない」です。
これが公共機関の塩に対する認識かと思うと、病院から「塩に注意」と言われたを忠実に守っている事もわかりつつ。。。。。
でもね!!
これからの季節、暑いじゃないですか!
暑い日や運動の後は積極的に塩を摂れってよく聞く話だし、血液は海水を薄めたものと同じとも聞きます。
生理食塩水なんて注射から美容品と結構ある話ですよ
そんな身近な塩が、なんでいけないのか?って気持ちが大きくなるばかりです。
また、前回も紹介しました世界的な遺伝子研究の村上先生は、
「タンパク質、カルシウム、カリウム、マグネシウム、食物繊維などナトリウムの貯蓄を防ぐ成分を含む食事をすれば脳卒中は予防できる」と言っておられます。
つまりは、貯蓄を防ぐ成分をしっかり摂っていれば、塩は怖がる必要はない訳ですよね。
さすが村上先生!!
と思って、色々な塩の内容成分を見ると、蓄積予防の働きをするカルシウム、カリウム、マグネシウムが有るものがあったり無いものもあるんです。
こんなにも違うのに、なんで成分表示では「食塩」として一緒くたに扱われるのでしょうか?
そんなこんなを調べている内に、原因は法律じゃないかと。。。。。。
塩は長い間専売制になっていましたので、専売公社の歴史を参考にしました。
以下は公益財団法人塩事業センターのホームページ(以下HP)の塩の歴史を要約したものです。
参考先https://www.shiojigyo.com/siohyakka/number/history.html
※塩事業センターとは専売公社から塩事業を引き継いだ機関です。
塩の専売制は明治時代からスタートします。
その理由がこう書いてあります。
↓
明治以前は瀬戸内海地方を中心に差塩が作られていましたが、明治の改革で外国からの純度が高く安価な塩が入ってきた事と
日露戦争のための膨大な戦費の調達のため財政収入の基盤をしっかりさせる。
※差塩(さししお)・・・塩化ナトリウムの純度の低い塩
ここから、ちょこちょこと規模を変えながら塩の専売制は進みます。
そして戦後。
GHQの政策で塩の専売公社はその配下になり、塩業近代化措置法ができました。
この法律によって第1~2次塩業整備で戦前述べ3600人と面積4000ヘクタール整備されて来た塩田が、2000ヘクタール姿を消したとあります。
こう聞きますとGHQの政策に対して悪い印象付になりそうですが、これはそうでもなさそうなんです。
と言うのは、確かに効率化を求めて製造方法は変化したものの、以前から続いている塩田での塩作りは残っています。
って事は、、、、
塩の内容成分が大きく変わる事にはなっていません。
しかしその後「塩の成分」として大きな変化が起こります。昭和46年の塩業近代化臨時措置法です。
これでどう変わったのかと言うと・・・・
塩田での食塩作りが姿を消し、昭和30年代から進めてきたイオン交換式に全てが移行されました。
が!!
どうやらこの法律は、”ただ単に作り方が変わった”だけでは説明がつきそうも無いのです。
と言うのは、その背景も含めて見るとわかりやすいです。
まずは、そのイオン交換式を説明します。
今までは海水を塩田で濃度を上げ塩を取り出す方法だったのですが、イオン交換式は全く違います。
その方法は水槽にプラスとマイナスの直流電極を入れ、
プラスに集まろうとする塩化ナトリウムイオンと、マイナスに集まろうとする塩化イオンを専用の膜でろ過して純度の高いナトリウムを取り出せると言うものです。
本当はこんな一行で説明できないのですが、ざっくり言うとこんな感じです。
これは日本が考えた画期的な方法でした。
と言うのは、それまでの塩田は天候に左右されたり、土地が必要だったり、それに伴って沢山の人員も必要でした。
でも、
イオン交換式は水槽で作るので天候は関係ないし、土地も少なくて済みます。
更に電気を利用しているので出来上がりの差も出ない上、純度も高い塩が7倍以上も取れるので言う事なしな訳です。
塩って聞くと食品や食べる物にイメージが直結しますが、実は食べる塩は生産量の15%もありません。
じゃあ、何に?って言うと
塩はガラスを始めあらゆる工業製品の原料なんです。
「え?そんな物にも?」って位。
分かりやすい図がたばこと塩の博物館の資料にあります。
↓↓
参考https://www.tabashio.jp/collection/salt/s16/index.html
これを見ると「塩の生産力は国の産業の底力」と言われるのも納得します。
そして昭和46年の塩業近代化臨時措置法の時期とは、まさに高度経済成長期です。
実は・・・昭和30年代に入り安定供給が出来なかったり、今までの塩田で作っていた地域の海洋汚染、塩の品質のばらつきなど
公社として塩品質問題が言われ始めていたようで・・・・
それも重なりイオン交換式への全面変更に至ったかもしれません
しかし!!!
この方法に反対して署名活動が起こります。
またイオン交換式の純度の高い塩にあえて”にがり”を添加させたり、外国の海水を原料にしてあえて純度を低くした食塩を販売する事業者が出てきます。
その理由は「純度の高い塩は体に良くないんじゃないか」って事で、ポイントはその声が今まで食塩を作っていた人たちからの行動って所です。
とは言っても、それらミネラルを含ませ純度を下げた食塩の流通量はごくわずかで、主流はイオン交換式によるナトリウムの純度の高い食塩でした。
この塩が昭和46年(1971年)から平成9年(1995年)の専売制廃止までの26年間続きます。
人口も増え、しかも高度経済成長ですから、身近な味噌、醤油、加工食品や給食だってその流れでしょう、
じゃあ、この間、健康についてどんな事があったのでしょうか?
と思って厚生労働省の人口動態統計の死亡原因を見てみると・・・
参考:https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Data/Popular2004/05-24.htm
先に答えを言いますと、よくわからないんです。
よくわからないと言うのは、高血圧の原因が塩だと考えると、血液関係の病気を含めて統計を見る必要がありますよね。。。。
そうなると、イオン交換式に徐々に移行した1960年代から統計がある2002年まででは、脳血管疾患と心疾患は常に上位3位以内。
更に10位以内には高血圧性疾患も加わりますが、統計がある1960年前も脳血管疾患は、上位3位以内ではないですけど上位なんです。
イオン交換式の塩になってから「常に上位3位以内なった」と書けば、ミネラルを含まない塩がさぞかし・・・の様に印象付けだって出来ます。
でも、そういった事を含め1997年に専売制廃止になったのかもと思うものの・・・・それが終わったからと言って、
「じゃあ塩を変えよう!!」
って言う風に、企業は違う塩を使うのでしょうか?
塩を変えたら味が変わるかも・・・
とか、
コストが変わる・・・
管理が変わる・・・
とか、
今までの生産方法で既に流通しているものを変えるって、企業はなかなか出来ないですよ。
しかもナトリウムの蓄積を防ぐカリウムやカルシウム等のミネラルを含むと水分は含みやすくなって、結果しっとりしてしまいます。
よく塩が水分でベチョベチョになるのもこれです。
これ、、、、、食品加工業では不都合な事ないですか?
例えば味噌なら発酵が変わるかもって想像します。
ポテトチップはサクッとした食感が良いのに、そういった塩を使ったら逆に湿気やすくなります。
湿気るとカビやすくなったりします。
ポテトフライなんては、湿気のある塩はぼってっとなって均等にまぶす事は出来ませんから
味にムラが出来るのは必至です。
そんな事を考えると、村上先生も言われていましたが、外食や加工品、できあいのお惣菜が多い場合は減塩を考えつつ、
一方ミネラルを含む塩を選べる家庭では、しっかり塩を摂ってその恩恵だって受けられます。
ってなると、やっぱ家庭料理は健康の底力ですよ。
続いてはレシピです。
ここまで塩できたので塩関係で作りま~~~す。
参考
村上和雄著
「遺伝子オンで生きる」
「今こそ日本人の出番だ」
「スイッチオンの生き方」
柴田書店「塩の本」
平島裕正「塩」
亀井千歩子「塩の民俗学」
廣山堯道「塩の歴史」
たばこと塩の博物館
塩事業センターHP
保土ケ谷区HP
━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】鉄フライパン屋の楽しいレシピ
━━━━━━━━━━━━━━━━━
夕飯は、みんなが揃って食べるってありますか?
例えば「サザエさん」の食卓の風景です。
あんな風に家族が揃って食卓を囲むって、、、、、、どうです?
毎日じゃないにしても、週に何回かは皆で食べるって感じでしょうか・・・・
後から食べる場合、チンして食べたり、何かで温め直して食べたりすると思います。
今回「塩」について色々知ると、塩って「塩」で解釈する場合と「食塩」で解釈する場合では取りが全く変わと感じました。
工業用では、純度の高く安定して生産される「塩」が重宝されますが、食べる用となると、これが・・・・・
その差は、ミネラル分です。
このミネラル分をもっと効果的と思って考えたんですが、
でも、そのミネラルって言ってみれば「苦汁」です。
だから兎に角、苦い!!!
その苦いの承知で色々作ってみて、意外だったのがメンチカツだったんです。
それも温め直したメンチカツ。
メンチカツに使うお肉ってタンパク質を含んでいます。
タンパク質は水分を含んでいますが、これが調理の熱でタンパク質が崩れなかの水分が脂と一緒に流れ出します。これが所謂肉汁です。
この時一緒に入っている野菜の水分なども加わると美味しさいっぱいの肉汁なんですが、
その時ミネラルが入っていると、その中のカルシウムがタンパク質を安定化させておそらく崩れにくくしていると思うんですが、これが、
作り立てよりも、温め直した時の方が、妙に良いんです。
多分ですが、こんな事が起こっているんじゃないかと・・・・
正直言って作り立ては苦汁がない方が美味しいです。
肉汁いっぱいだし。
でも、、、、、
時間が経つと、その肉汁を衣が吸っちゃうじゃないと。。。。。
一方、苦汁が入っていると、タンパク質を固めると同時にその中の水分も保とうとするので、衣が吸うのも少なくなって温め直した時も妙に良いです。
書いていて思ったんですが、レシピお勧めする理由が「多分」とか「妙に良い」って変ですよね。(笑)
でも、温め直しでいい感じです。作って見て下さい。
作ったのがこちら
↓ ↓
https://ajinefrypan.com/cokking-mendikatu.html
詳しい作り方は下に
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】フライパンの出来上がりと錆磨き作業のお知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□■ただいまのフライパンの出来上がり日数はこちらに。
https://ajinefrypan.com/frypanuplist.html
□■錆磨き直しの作業日程
只今の磨き直しのお預かり期間は3~4週間ほどです。
お電話またはメールでご予約ください。
※お預かり期間が長くなりご迷惑をかけてしまう場合がございます。
お日にちに余裕がございましたら、前もってご予約ください。
電話(通話料無料)0120-218-292 (9:00~18:00)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】詳しい作り方とポイント
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【材料】6~8個分
豚ひき肉(合い挽きでも可)400グラム
玉ねぎ中位半分
塩小さじ半分
玉子1個
こしょう 少々
ナツメグ 少々
苦汁大さじ大
パン粉
●調理時間:30分ほど
~・~・~・~・~・~
調味料と挽き肉、苦汁、玉子を混ぜてねばねばするぐらいしっかり練ります。
これをハンバーグのように形して、パン粉をつけていきます
玉子→小麦粉→パン粉の順番でつけますが、個人的な都合から米粉を使っていますので、今回は水でといた米粉にパン粉をつけています
ここからは「揚げ」です。
170~180度で揚げます。
揚げ方は天ぷら屋さんから教えてもらった通りを実行します。
その方法とは・・・・
「ある程度上がるまでとにかく触らない」です。
「じゆ~」から「プチプチ」の音が混じり始めて揚げの音が変わってきたら出来始めたサインです。
そうしたら出来上がりです。
ここまで書いてきて思いましたが、これ・・・・・
メンチカツを作る方法の定番ですよね。
言って見れば、それに苦汁を足しただけ!
って言っちゃうと、元もこうもないのですが、ポイントは苦汁を入れて作ると調理後しっかりします。
にがりを入れると、こうも違うんだみたいに感じ。
しかも苦くありません。
実はあの苦さは「笑顔を作る元」だったんです
って言ってみたりして
良かったら、温め直して食べるご主人やお子さん用に今晩にでも作って下さい。
「あれ??今日の美味しい」って、ニコっとする事でしょう。
もう一度出来がりを御覧ください
https://ajinefrypan.com/cokking-mendikatu.html
最後まで読んでくださり
ありがとうございます。
【鉄フライパンのテクニック】
今回は引火した場合です。
アルコールを飛ばしたりするのは故意に引火させる事なんですが、ふとした瞬間フライパンで引火したり揚げ物で引火した
なんてことで調理には起こらない事ではありません。
そんな時は、以下の2点を行って下さい。
1、火を消す
2、蓋をする
1は文字道り加熱をやめて温度を下げれば、効果は大です。
2は蓋のサイズは、底面より小さくて完全に中に落ちてしまう物でなければ何でも構いません。
火が燃え続けるのは酸素の供給が必要です。
その供給量が減れば、火もそれに合った分しか燃えることができないので、結果、火は小さくなるしかありません。
1の効果で温度が下がり、火がなくなったら蓋を取ります。
注意は、まだ火が残っている段階で蓋を取ってしまうことです。
そうすると酸素が再度供給され火が大きくなる可能性があります。
ぶっそうな会話ですが、あえて書くのも「もしも」の時の備えです。
知っていれば、なんて事ありません。
調理中は、そこから離れない。離れる場合は火を消しましょう。これやっぱ一番です。
【今回使ったフライパン】
お弁当用天ぷら鍋です。
表面塗装はありません。これが良いって言われる方もいらっしゃいます。
天ぷら鍋はこちら
https://ajinefrypan.com/obentoutenpura.html
追伸
今回、食塩について改めて勉強しました。
食塩って一言で言っても、ミネラルを含む物、含まない物、色々ですし、
面白いと思ったのは、日本以外の国の食塩です。
日本は海に囲まれているので、海水から塩を作るってそんなに難しい事ではありません。
でも、世界には海のない国だってあります。
そう云う所は、岩塩でミネラルが少ない分、日本の軟水に対し鉱水なので水にミネラルが含まれていたりして、、、、、
世界ってよく出来ているんだと思いました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
美味しい音で味の音で「あじね」って言います。
ぜひ、いい音させて美味しいの笑顔を作って下さい。
お料理や使う方の使いやすさにあわせて
板厚、深さを変えてフライパン作ってます。
「あじねフライパン」