鉄フライパンは、はじめどうやって使うの?

鉄フライパンはどうやって使うの?

どうやって使うのか?そんな初めと言ったらなんですが、初めの質問を頂きましたので、専門からの視点でお答えします。

 

まず、フッ素コーティングのフライパンの様に直ぐに使えるのか、って所ですが、私たちのフライパンは焼き込みを済ませていますので、そのまま直ぐにお料理に使って頂いていいですが、もし出来るなら簡単でも良いので少し多めの油を引いて野菜炒めなどを作ってもらってから、使いはじめて頂けたらと思います。

この時炒める野菜はキャベツの一枚目とか、キュウリのへたとか、玉ねぎの切り端とか、切って捨ててしまう部分でも十分です。言い忘れましたが味付けなどは要りませんので、調味料も使いません。

これをやる事ですが、理由があります。

その理由とは、初め鉄ライパンには何も乗っていません。言ってみれば、鉄がそのまま出ている状態になっています。
ですので酸素と触れ合っている状態になっています。
酸素と触れ合うとは酸化ですので、ここに空気中の水分などが加われば、酸化しやすくなります。
つまりは錆びが出やすい状況なんです。

梅雨の時期などは、それが起こりやすくなります。


ですので、この状況を出来るだけ無くしたいのですが、酸化の原因の酸素を無くすことは出来ませんので、酸素と出来るだけ触れ合わせない方法、これが油を使うになります。

油がフライパンの表面に着く事は、薄い膜が出来るようなもので、これが意外に酸素を遮断してくれるので、結果的に錆を防止してくれます。
この油の膜を作るのに、さっき言いました野菜炒めをするが良いんです。
それともう一つ。
金属には「におい」があります。
鉄で言ったら鉄臭です。これが気になる場合に、先ほど言いました、”少し多めの油で野菜炒めをする”が効果があったりします。
この理由は野菜がにおいを取るのか、熱を掛ける事でにおいが減るのか定かではないですが、でも、野菜炒めをする事は、良い効果があります。


そして、野菜炒めが終わったら、洗剤を付けずに水のみでこすり洗いをします。

そうすると、フライパンに水が乗った状態になりますので、そのままガス台に乗せて加熱して、表面の水分を飛ばしてあげます。この時の時間は、1.2ミリ板厚のいフライパンならば10秒くらい、ちょっとフライパンの中で水分が「じゅわ~~~~」ってなる位、あとは放置して余熱で表面の水分を飛ばす感じでオッケーです。

この様に文章にすると長いですが、作業で言えば、野菜炒めをする→洗う→乾かす→お料理に使う

こんな流れですので、実はそんなでもありません。


この後は、お料理にお使いください。


鉄フライパンと聞くとハードルが高いように思いますが、お母さん、おばあちゃんの世代では、誰も普通に使っていた道具です。

お届けしたお客さんから「お料理をしたら昔の味がした」と感想を頂く事があります。きっと、お母さんが鉄フライパンをお使いになられていたんだと思いますが、そんな想いになれるのも良い所です。

ちょっと難しい、なんておっしゃられず、鉄フライパンを使ってみて下さい。きっと新しい発見があります。
それで美味しくなった、なんて家族からの声を、と思っています。